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TOEIC勉強法「リスニング対策はアメリカのテレビ番組」

このシリーズでは、TOEICテストで900点超えを達成した上級者の勉強法を公開します。

今回はTOEICスコア930点の「かばかばさん」がご自身の経験を元に、TOEICテストで900点を取得するための勉強法を解説します。


TOEICリスニング対策はアメリカのテレビがおすすめ

TOEIC対策や勉強法はレベルを含めていろいろあります。皆さんも一度はご覧になったこともあるかと思います。ただ、TOEICの点数は取れても結局「英語が使えるようにならない」という話が出てきます。こうなると点数を取ることが目的になってしまうので、モチベーションにも響きますよね。

この際、頭の中の構造を変化させて、英語を英語のままで理解できるような訓練をしてみませんか?これってTOEICのリスニング対策にもなりますよ。

TOEIC700点までは自己流の勉強法でOK

さすがに300点くらいからいきなり900点を目指すのは無謀だし、現実的ではないので、400点→700点→900点くらいのステップで考えてください。
私の勤めていた会社では研究留学という制度があって、選抜された人が1年間海外で研究をすることができました。「これはいい!」と思い、2年ほどかけて選抜ラインの700点をクリアするようにしました。やったことは一般的な、TOEIC用のテキスト、通信教育(当時はこう呼ばれていました)、CDで英語を聞く、などです。もっと詳しく知りたい方は、他の記事を検索してみてください。有益な情報がたくさんあると思います。900点への準備のため、1)文法をマスターする、2)基本的な語彙を習得する、でこれがないと、次のステップに耐えられません。

テレビを見ながらTOEICリスニング対策

英語において「読むこと」と「聞くこと」の決定的な違いは、「読む」時は意味の理解に沿って、必要なら前の単語に戻って読み直すことも可能です。でも「聞く」時は、関係代名詞だから直前の語を修飾しているので前に戻って・・・、という方法は取れません。英語の単語の順番にそのまま理解しなければなりません。

そこで必要となるのが、聞こえてきた英語の「音」を「情報」に変換して頭にとどめておく能力です。ただし、これは長い時間ではなく全体の意味を理解できるまでの短い時間であり、かつどんどん入れ替えていかないといけません。この「情報」に変換できる人は多少単語がわからなくても全体を聞いた後に、推測などで補足することで意味を理解できることになります。また、これがいわゆる英語を日本語に訳さずに、英語の語順のままで理解することです。

ここがリスニング力の強化のポイントです。目標は「音から情報への変換」の訓練とはっきりしました。一般には、英語が聞いてわかるようになるのは、1,000時間(1日3時間で333日、約1年)が1つの目安と言われています。ただ、単純に音として聞いているだけなら2,000時間聞いてもわかるようにはなりません。「音」ではなく「情報」を意識しましょう。

私が実行したのは、ずばり「テレビ(米国番組)」を見ること、でした。テレビはニュースもドラマも英語、もちろん映画も。音声はもちろん英語ですが、米国番組では字幕も英語で出せるので非常に便利です。テレビを見ているときは、字幕を見ながらひたすら英語を聞き、わからない単語は、メモだけをして全部終了した後にまとめて辞書を引くことにしました。いちいち思考を停止するのではなく、流れで考える訓練にもなったと思います。

音→字幕→映像→情報をひたすら繰り返しながらテレビを見るのでました。声を聞いて、その内容を字幕で確認する、映像を見て状況を判断し、情報として脳に取り込むというサイクルです。最初はかなり疲れて、1時間くらいしか集中力が持ちませんでした。それを救ってくれたのが、好きな女優さんです。当時はジェニファー・アニストン、メグ・ライアンなどを何度も何度も見ました。そのうちニュースキャスターの中にも何となく好きな人が出てくるので、その人中心でニュースも見ました。

私の場合は2年ほどしたら(結構時間がかかりました)、音→映像→情報、音→情報という変換パタンが徐々に増えてきたのが実感できるようになりました。ここまでくればモチベーションも上がりますし、番組を楽しめるようにもなるのであとは継続していくだけです。やるべき工程が少なくなれば、時間が節約され、今までは50%しか情報として変換できなかったものが、60%、70%と上がっていき、リスニングの練習からストーリー全体の理解に近づきます。日本語のテレビを普通に楽しめるレベルに近づくわけです。

そして次に試したのが、「ラジオ(米国番組)」です。「ラジオ(米国番組)」の場合は、音→情報という直接変換の訓練になります。お勧めは、ニュースチャンネルです。24時間ひたすらニュースを流しているチャンネルは助かります。同じ内容のニュースを何度も繰り返すので、少しずつでも聞き取れる範囲が拡大していきます。

さらに、音→情報を加速する役目が背景情報です。例えば、「天気予報」が始まったら、今日の天気、今日の気温、週間予報などが情報として流れます。これがわかっていれば落ち着いて次の話を聞くことが出来ます。これは音→情報を助けてくれる重要な要素なのです。最初の部分で背景がわかるとこれから流れる情報を予測できるようになります。逆にこれが出来ないと人は緊張して、普段わかることも間違えてしまいます。

つまり、日本人には普通に日本の背景情報(いろいろな場面での常識。初対面でいきなりビジネスの話はしないなど。)が身についているのですが、これに加えて米国の背景情報(いろいろな場面での常識。初対面でも余計な話は抜きでいきなりビジネスの話になるなど。)が増えれば、英語の音→情報の変換が加速します。

「テレビ(米国番組)」「ラジオ(米国番組)」は、TOEICで出題されるビジネスシーンなどを多く含んでおり聞けば聞くほど手持ちの背景情報を増やすことが出来、音→情報の変換を助けてくれます。英語力そのものではありませんが、TOEICだけではなくビジネスの場面でも重要な要素です。

TOEICはテクニックも必要

せっかくの知力も点数に変換できないと意味がありません。ここでちょっとだけテクニックの復習を。リーディングは、わからなければ読み返したりできますので、落ち着きだけですが、リスニングはそうはいきません。問題を聞いてその場で回答を選ぶ必要があります。

リスニングの試験では、問題文を聞く前に選択肢を見て、「どのような問題文が出るのか?何を問われそうなのか?」を瞬時に判断した上で、問題文を聞く必要があります。これにより、キーとなる単語、数字などを間違いなく聞き取れるようになります。これも一種の背景情報です。音→情報の変換を助けてくれます。

まとめ

このような生活を4年ほどした後に受験したTOEICで930点となりました。結果的にTOEIC900点以上につながったのは、基本的な英語力の向上はもちろんですが、各種場面での英語の言い回し、決まり文句の習得だったと思います。TOEICの聞き取りでは、ビジネス、生活などのよくある場面での質問が出題されています。この辺りは、参考書で何度か見ただけでは実感として理解できませんが、その場面を何度もテレビで見たりしていると問題が出たところで安心して「ああ、あの場面か。これ決まり文句。」と理解できます。この安心感が何よりも重要だと思います。

プロフィールとTOEIC公式認定証

  • かばかば
    英語もあまり話せない普通のサラリーマンでしたが、米国駐在をきっかけに英語必須の状況に悪戦苦闘。参考書よりもテレビとラジオをお供に生活することで、帰国後TOEIC900点以上を達成。

TOEICテスト900点超えのスコア

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