TOEIC Part5 中上級レベル問題 (No.3)

このシリーズではTOEIC満点講師が作成する、TOEIC Part5 中上級レベル(スコア700~799点)問題と英文法解説を公開します。今回は英文法問題を3問、語彙問題を1問の合計4問です。

TOEIC Part5 短文穴埋め問題No.3 (中上級レベル)

英文の空所に該当する最も適切な単語やフレーズを(A)~(D)の選択肢から選んでください。

Part5 穴埋め問題 Q1

In spite of working for such a long time at the company, Sarah doesn’t know at all _________ the printing paper is stored in the office.

  (A) what
  (B) whom
  (C) where
  (D) which




※問題の解答は下にあります↓




Q1の解説(関係詞の問題)

In spite of working for such a long time at the company, Sarah doesn’t know at all where the printing paper is stored in the office.

長い間会社に勤めていたにも関わらず、サラは印刷用紙が事務所のどこに保管されているのかを全く知らない。

(A) what (B) whom (C) where (D) which

in spite of は「~にも関わらず」という譲歩を表す郡前置詞。“doesn’t know at all” の “at all”は、否定の意味を強めて「全く」「全然」の意味。

【解き方】

他動詞 know は目的語に名詞や節を置くことができます。(C) where は関係副詞で、「~の場所、~する場所」の意味です。この問題の英文では “where the printing paper is stored …”は名詞節として機能します。

英文には場所の先行詞(the place など)がありませんが、where 自体に先行詞を含んでいます。次の例文は場所の先行詞があるケースです。

Sarah doesn’t know at all the place where the printing paper is stored.

サラは印刷用紙が保管されている場所を全く知らない。

【答え】
(C) where

【不正解の選択肢】

(A) what は関係代名詞で「(~する)物/事」の意味です。次の例文のように使います。

Sarah doesn’t know at all what is stored in that cabinet.

サラは、そのキャビネットに何が保管されているのか全く知りません。

(B) whom は疑問代名詞で、「誰を、誰に」の意味です。“主語 know whom + 節” は 文法エラーだから (B) は不正解。

(D) which は関係代名詞です。次の例文のように、“the place”などの場所の先行詞 があれば、where の代わりに “in which” で置き換えることが可能です。

Sarah doesn’t know the place in which the printing paper is stored.

サラは印刷用紙が保管されている場所を知らない。

“is stored in” の他に “is stored at” と書くこともあるので、上記の例文の “in” を “at” に置き換えて、“the place at which”と書くことも可能です。



Part5 穴埋め問題 Q2

_________ Mr. Gates is an entry-level software engineer, he has exceptional knowledge in the field of artificial intelligence comparable to that of an expert.

  (A) Before
  (B) Since
  (C) While
  (D) Supposing




※問題の解答は下にあります↓




Q2の解説(接続詞を選ぶ問題)

While Mr. Gates is an entry-level software engineer, he has exceptional knowledge in the field of artificial intelligence comparable to that of an expert.

ゲイツ氏は新入社員のソフトウェアエンジニアでありながら、人工知能の分野では、専門家に匹敵するほどの並外れた知識を持っている。

(A) Before (B) Since (C) While (D) Supposing

entry-level は形容詞で「新入社員の」。 exceptional は形容詞で「並外れた、非常に優れた」。 knowledge は名詞で「(教育や経験から得た)知識」。 artificial intelligence は複合名詞で「人工知能」。 comparable は形容詞で「比較できる」「匹敵する、同等の」。

comparable to は “knowledge in the field of artificial intelligence”を後ろから修飾しています。次の例文のように、 intelligence と comparable の間に “that is” 又は “which is” を置く場合もよくあります。

He has exceptional knowledge in the field of artificial intelligence (that [which] is) comparable to that of an expert.

“that of an expert” の that は先行する名詞や名詞句を受ける指示代名詞で、この文の that は“knowledge in the field of artificial intelligence”を指しています。

【解き方】

接続詞 While は「~している間に」のほかに、「~だけれでも、~ではあるものの」の譲歩の意味もあります。譲歩の while は although と置き換え可能です。

空所に譲歩の意味の While を入れると、「~は新入社員のエンジニアだけれでも、並外れた知識を持っている」となり、自然な文意です。

【答え】
(C) While

【不正解の選択肢】

(A) Before の接続詞には、「〜する前に」や「~するよりはむしろ」の意味です。

空所に Before を入れると、「~は新入社員のエンジニアをする前に、並外れた知識を持っている」となり、前後2つの節が同じ時制だから、この文意は不自然です。

(B) Since の接続詞は、時の起点(〜して以来)、または、理由(〜だから)の意味です。時の起点(〜して以来)は現在完了形などと一緒に使う表現で、この問題英文の時制は現在形だから、Since は理由の意味で使われていることが分かります。

空所に Since を入れると、「~は新入社員のエンジニアだから、並外れた知識を持っている」となり、この文意は論理的に不自然です。

(D) Supposing は接続詞で「仮に(もし)~の場合」の意味。

空所に Supposing を入れると、「仮に、~が新入社員のエンジニアの場合、並外れた知識を持っている」となり、この文意は論理的に不自然です。



Part5 穴埋め問題 Q3

The company is looking for job candidates who can interact _________ with other employees and clients.

  (A) respective
  (B) respectively
  (C) respectably
  (D) respectfully




※問題の解答は下にあります↓




Q3の解説(単語を選ぶ問題)

【解説】
選択肢は形容詞と副詞が並んでいるので語彙を選ぶ問題です。英文の「interact with」は「~と交流する、コミュニケーションをとる」という意味で、interactを修飾する副詞が入ることが分かります。

選択肢(A) respectiveは「それぞれの、各自の」という意味の形容詞です。形容詞は名詞を修飾するので(A)は不適切です。

選択肢(B) respectivelyは「それぞれ」という意味の副詞です。(A) respectiveに「ly」を付けると副詞になります。
他の従業員や顧客とそれぞれ付き合うというのは当然のことですから、会社が求めている人材としてふさわしくありません。(B)は不適切です。

選択肢(C) respectablyは「立派に、上品に」という副詞です。「interact respectably with」は「他の従業員や顧客と立派に[上品に]付き合う」という内容となり、日本語で考えると一応使えそうですが、社員募集という観点でみると不自然です。よって(C)は不適切です。

選択肢(D) respectfullyは「敬意を表して、丁重に、礼儀正しく」という意味の副詞です。この選択肢を入れると「礼儀正しく付き合うことができる~」となり筋が通ります。(D)が正解です。

【答え】
(D) respectfully

【英文】
The company is looking for job candidates who can interact respectfully with other employees and clients.
その会社は、他の従業員や顧客と礼儀正しく付き合うことができる志願者を求めています。
(選択肢)(A) respective (B) respectively (C) respectably (D) respectfully

Part5 穴埋め問題 Q4

The research and development team currently has five people on the team, _________ have PhDs from top national universities.

  (A) all of whom
  (B) all of which
  (C) some of them
  (D) one of them




※問題の解答は下にあります↓




Q4の解説(関係代名詞の問題)

【解説】
この問題の選択肢は代名詞と関係代名詞が並んでいます。問題英文は2つの節で構成されており、空所の前後の節をつなげる働きをする関係代名詞が答えだと推測できます。

選択肢(A) all of whom(代名詞+of+whom)は、2つの文をつなげる働きもあります。空所に all of whom を入れて2つの文が正しくつながるか考えてみます。

The research and development team currently has five people on the team, all of whom have PhDs from top national universities.

最初の節の「five people」を先行詞として、all of whom(その人たちすべてが)を主部とした形容詞節が、補足的な説明を加えています。この用法は『非制限用法』と呼び、関係代名詞の前に必ずカンマがあります。all of whomの節は「その人たちすべてが、トップの国立大学で博士号を取得している」という内容で文意も通ります。よって選択肢(A)が正解です。

選択肢(B) all of whichの「which」は「人以外」の関係代名詞として使います。空所の節は「~はトップの国立大学で博士号を取得している」という人を修飾する内容です。だから先行詞も人になるべきだから選択肢(B)は不正解です。

【all of whichの例文】
There are many English schools, two of which I’m interested in.
※先行詞の「English schools」に関係代名詞の「two of which」で修飾しています

上記の文は次の2つの文を関係代名詞でつないでいます。
① There are many English schools.
② I’m interested in two of them.

選択肢(C) some of them は代名詞で、文をつなぐ機能はありません。(C)は不正解です。どうしても (C) を使いたい場合は「and」で文をつなげる方法があります。

【andで文をつなげる例文】
The research and development team currently has five people on the team, and some of them have PhDs from top national universities.
研究開発チームには現在5名在籍しており、そのうちの何人かがトップの国立大学で博士号を取得している。

選択肢 (D) one of them も代名詞だから、文をつなぐ機能はありません。更に、代名詞 one は単数だから have PhDs が続くと文法エラーです。

【答え】
(A) all of whom

【英文】
The research and development team currently has five people on the team, all of whom have PhDs from top national universities.
研究開発チームには現在5名在籍しており、その全員がトップの国立大学で博士号を取得している。