例文で学ぶ英文法「前置詞」

このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「前置詞」です。

前置詞とは、その名前の通り「~の前に置く」ための品詞で、名詞または代名詞の前に置きます。前置詞を置くことで、空間の位置・方向・時などのイメージを、名詞に持たせることができます。

前置詞の役割

前置詞は、名詞や代名詞、名詞句の前につけることで時間や位置、手段などを表す役割を果たします。

日本語の「~に」、「~へ」、「~で」などにあたる言葉ですが、日本語とは違って名詞の前につけるため、「前置詞」と呼ばれます。前置詞は単体で使うことはできず、必ず名詞の前につける必要があります。

前置詞がついた名詞や名詞句は、文中で形容詞的、または副詞的な役割を果たします。

以下の例文の前置詞は、the green shirtの前にあるinです。in the green shirtはThe boyという名詞を修飾してることから、前置詞+名詞句が形容詞的役割を果たしていることが分かります。

The boy in the green shirt is my younger brother.
緑色のシャツを着ている男の子は私の弟です。

以下の例文の前置詞は、the parkの前にあるinです。in the parkは動詞playの目的語であることから、この前置詞+名詞句が副詞的役割を果たしていることが分かります。

The kids are playing in the park.
子供達は公園で遊んでいます。

前置詞の種類

前置詞の単語数は少ないですが、1つの前置詞が時を表すこともあれば位置を表すこともあるなど、多様な意味を持っています。

ここでは代表的な前置詞を、位置、時、方向、手段などの種類に分けて説明します。

位置を表す前置詞

位置を表す前置詞の代表は、in、at、under、above、on、between、by、fromです。

前置詞イメージ意味
in空間の中(場所)~の中に
at場所の一点(地点・位置)~に
under~の下(位置)~の下に
above基準より上の一点(位置)~の上に、
on~に接している(位置・場所)~上に
between2つの物の間(位置・場所)~の間に
by~のそば(位置・場所)~のそばに
from場所の起点(位置)~から

in:空間の中

inは部屋や容器のような空間の中、またはある程度の広さがあるエリアの中を表します。

以下の例文のinは、どちらも「冷蔵庫」、「リビング」という空間の内部を表しています。

The milk is in the fridge.
牛乳は冷蔵庫の中にある。

They are in the living room.
彼らはリビングにいます。

以下の例文のinは、どちらも「東京」、「アメリカ」という広い場所を表しています。

He lives in Tokyo.
彼は東京に住んでいます。

I studied in America.
私はアメリカで勉強しました。

以下の例文のinは、鍵の位置を表しています。

He was holding the key in his hand.
彼は鍵を、自分の手のひらに握りしめていた。

at:場所の一点(~に)

atは、指で地図上の一点を指さすようなイメージをもつ前置詞で、人や物が特定の場所に「いる」ことや「ある」ことを表します。

He is at home.
彼は家にいます。

She is waiting at the bus stop.
彼女はバス停で待っています。

under:~の下

underのイメージは例文を見ると分かりやすいでしょう。

以下の例文のにunderは、「毛布の下」という意味です。

The boy hid under the blanket.
男の子は毛布の下に隠れた。

上記の例文では、男の子が毛布と接触した状態ですが、以下の例文では、「人・犬」は「木・テーブル」と離れた状態で下にいます。
underは、2つの距離は関係なく使えます。

We sat under the tree.
私達は木陰に座った。

The dog is sleeping under the table.
犬はテーブルの下で寝ています。

above:基準より上の一点(~の上に)

aboveはあるものが何かの「上の方」にあることを表します。aboveを使う注意点は、ある対象が上と下に「接触していない」ということです。

以下の例文で、鏡は洗面台の上に置いているのではなく、洗面台の「上の方」にかかっている状態です。

There is a mirror above the sink.
洗面台の上に鏡があります。

以下の例文で、ヘリコプターはビルの上に乗っているのではなく、ビルの「上空を」飛んでいます。

The helicopter is flying above the building.
ヘリコプターがビルの上を飛んでいる。

on:接触している(~の上に)

onは形のある何かが、何かに接触している状態を表します。

以下の例文で、本とテーブルは接触しています。

There is a book on the table.
テーブルの上に本があります。

以下の例文を直訳すると、鏡は壁と接触している。つまり、鏡が壁にかかっている状態を表しています。

There is a mirror on the wall.
壁に鏡がかかっている。

以下の例文も上記と同じイメージで、カメラは天井と接触している。つまり、天井にカメラが設置されている状態を表しています。

There is a camera on the ceiling.
天井にカメラが設置されている。

between:2つの物の間

betweenは、2つの物の間にあることを表します。

Tony is sitting between John and Ellen.
トニーはジョンとエレンの間に座っています。

以下の例文のように、複数の物の間にいる場合は、amongという前置詞を使います。

Tony is sitting among the other students.
トニーは他の学生たちの間に座っています。

by:~のそば

byは、接触はしていないが非常に近い距離にあることを表します。

near(近くに)もbyと同様近くにあることを表す前置詞ですが、byはnearよりもさらに近くにあることを表します。

以下の例文[1][2]はどちらも「私の家は駅の近くです」という意味ですが、byを使った例文[2]は、「駅から家まで徒歩数分もかからない」、「駅の真横に家がある」といったニュアンスがあります。

[1] My house is near the station.
[2] My house is by the station.
私の家は駅の近くです。

from:場所の起点(~から)

fromは移動の出発点や、動作の起点を表します。

He walked from the station.
彼は駅から歩きました。

She got up from her seat.
彼女は席を立った。

時を表す前置詞

時を表す前置詞、at、on、in、from、since、until、by、before、after、during、forを解説します。

at:時刻(~に)

atは時のある一点(時刻)や、正午・夜などを表す場合に使います。また、クリスマスなどの特定の日を表す場合にも使います。

He leaves the house at 8 (o’clock).
彼は8時に家を出ます。

I will see you at 10:30 tomorrow.
明日10時半に会いましょう。

on:日付・曜日(~に)

onは「何時」という時刻ではなく、日付や曜日を表す場合に使います。

They always play tennis on Sundays.
彼らはいつも日曜日にテニスをします。

The next meeting will be held on June 1st.
次の会議は6月1日に開かれる。

in:月・季節・年(~に)

inはonよりも範囲がさらに広く、月や季節、年などを表す場合に使います。

Valentine’s Day is in February.
バレンタインデーは2月にあります。

They often go to the beach in summer.
彼らは夏によくビーチに行きます。

He was born in 1980.
彼は1980年に生まれた。

from:時の起点(~から)

fromは時間の起点を表します。全ての時制(現在・過去・未来)で使えます。

The museum is open from 11 am.
博物館は11時から開いています。

He works from morning to night.
彼は朝から晩まで働いている。

since:過去の起点(~から)

sinceは過去のある起点から、現在まで(又はある時点まで)継続している意味があります。

以下の例文のように、sinceはある動作が開始された「過去の時点」を表します。基本的に現在完了形でよく使います。

She has been living in Australia since 2010.
彼女は2010年からオーストラリアに住んでいる。

It has been 5 years since I started working for this company.
この会社で働き始めてから5年になる。

until:動作・状態の継続(~まで)

untilは動作や状態が、ある時点まで継続すること表します。

She always works until late at night.
彼女はいつも夜遅くまで働いています。

Please wait until 11.
11時まで待ってください。

by:期限(~までに)

byは未来のある時点までに、行動や状態が完了すること表します。同時に、ある行動の期限を含意します。

I have to arrive by 10 am.
私は午前10時までに到着しなければならない。

Please submit your assignment by tomorrow morning.
明日の午前中までに課題を提出してください。

before:ある時点以前

beforeはある時点よりも以前を表します。

He gets up before 9 on weekdays.
彼は、平日は9時前に起きます。

after:ある時点以降

afterはある時より以降を表します。

I usually go for a walk after dinner.
私はたいてい夕飯の後に散歩に行きます。

during:特定の期間中ずっと

duringは特定の期間中、持続している行動や状態を表します。

Karen often takes notes during meetings.
カレンは会議中ずっとメモをとります。

I met her during my stay in Paris.
パリでの滞在中に彼女と出会った。

以下の例文のように、「~から~まで」のように時と時の間を表す場合は、「from ~ to ~」を使います。

I stayed in Paris from January to June.
私は1月から6月までパリに滞在した。

for:期間の長さ

forは、「~日間」、「~年間」のように期間の長さを表します。

She studied for 3 hours every day.
彼女は毎日3時間勉強します。

I have been living in Osaka for 2 years.
私は2年間大阪に住んでいます。

方向を表す前置詞

方向を表す前置詞、to、for、towardを解説します。

to:方向と到達点(~へ)

「~の方を向いている」ことを表すto
toは方向や行き先を表すと共に、行き先の「到達点」も含意します。

I went to Spain last year.
私は昨年スペインに行きました。

for:方向(~へ)

forは方向や行き先を表します。

She left Fukuoka for Tokyo early in the morning.
彼女は今朝早くに、福岡から東京へ出発した。

toward:方向(~へ)

towardは方向や行き先を表します。

He walked toward the center of town
彼は町の中心部へ向かって歩いた。

手段・道具を表す前置詞

手段・道具を表す前置詞、by、withを解説します。

by:手段(~で)

byは交通手段やコミュニケーションの手段、製造方法など表す場合に使います。

I go to school by bus.
私はバスで学校に行く。

I will let you know by email.
メールでお知らせします。

This bag is made by hand.
このバッグは手作りだ。

with:道具(~で)

withは道具や体の一部を使い、何かを行う様子を表現する場合に使います。

He is eating a chicken wing with his hand.
彼は手で手羽先を食べている。

I opened the box with a knife.
私はナイフで箱を開けた。

その他の前置詞

その他の良く使われる前置詞、about、for、withを解説します。

about:関連(~について)

aboutは「~について」という意味で使われることが多い前置詞です。

I am watching a documentary about birds.
私は鳥についてのドキュメンタリーを見ています。

They are talking about their experiences in foreign countries.
彼らは外国での経験について話している。

aboutと似ている前置詞でonがあります。aboutは一般的な内容について述べる場合に使い、onは専門的な内容について述べる場合に使います。

This is a book on business management.
この本は経営学の本です。

for:目的・用途(~のために)

forは目的や用途を表す場合にもよく使います。

I am studying english for the TOEIC TEST.
私はTOEICテストのために英語を勉強しています。

The lamp is not for sale.
そのランプは売り物ではありません。

with:同伴(~と一緒に)

withは「~と一緒に」という意味でも頻繁に使われます。

I live with my parents.
私は両親と一緒に住んでいる。

She went out with her friends.
彼女は友達と出かけた。

前置詞と副詞

前置詞としてよく使われる単語の中には、副詞としても使われている場合があります。ここでは「on」と「by」の例を説明します。

onの例文:

以下の例文[1]では前置詞「on」を使って、「put」(置く)の目的語である「jacket」を置く場所(on the sofa)を修飾しています。

[1] She put the jacket on the sofa.
彼女はソファにジャケットを置いた。

以下の例文[2]の「put on」は「着る」ことを意味する句動詞です。「put on」のonは副詞です。

[2] She put on the jacket.
彼女はジャケットを着た。

byの例文:

以下の例文[3]では前置詞「by」を使って、「sit」(座る)の動詞に、座る場所の情報(by the window)を修飾しています。

[3] She was sitting by the window.
彼女は窓のそばに座っている。

以下の例文[4]の「passed by」は「通り過ぎる」ことを意味する句動詞です。「pass by」のbyは副詞です。

[4] She passed by the window.
彼女は窓のそばを通り過ぎた。

【NOTE】句動詞のボキャブラリーが増えると、前置詞と副詞の判別が自然とできるようになります。

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前置詞の英単語一覧


英語 前置詞の使い分け



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