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例文で学ぶ英文法「名詞」

このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「名詞」です。

名詞とは人・動物・物・事の名前を表す単語です。英語の名詞には「可算名詞」と「不可算名詞」の2種類あります。

可算名詞とは数えられる名詞、不可算名詞とは数えられない名詞です。英語の特徴の1つは、名詞に「数」の情報を持たせている点です。

可算名詞・不可算名詞

英語の名詞には「可算名詞」と「不可算名詞」があり、それぞれCとUという記号で表します。

可算名詞とは、基本的に、book(本)、desk(机)、problem(問題)など、数えられる名詞を指します。

不可算名詞とは、air(空気)、paper(紙)のように、数えられない名詞を指します。しかし、「新聞」の意味でのpaperは、数えられる名詞となるので可算名詞になります。

可算名詞と不可算名詞を正確に見分けるには、英語辞書での確認が必要です。例えば、advice(助言・忠告)の名詞は、数えることができそうですが、不可算名詞です。

可算名詞(Countable nouns)

数えられる名詞のことを可算名詞と言います。単数の可算名詞には、冠詞・数詞・代名詞などを付けます。

one apple(1個のリンゴ)
a dog(1匹の犬)
his idea(彼のアイデア)
that job(その仕事)

可算名詞が2つ以上の場合、スペルの最後に「s」を付けます。可算名詞に「s」を付けた形を複数形と呼びます。

two apples(2個のリンゴ)
three dogs(3匹の犬)
five ideas(5つのアイデア)
seven jobs(7つの仕事)

以下の例のように、「少数の」や「たくさんの」などの形容詞を付けることも出来ます。

a few apples(少数のリンゴ)
some dogs(何匹かの犬)
many ideas(たくさんのアイデア)
a lot of jobs(たくさんの仕事)

不可算名詞(Uncountable nouns)

数えられない名詞のことを不可算名詞と言います。不可算名詞には不定冠詞(a、an)を付けることができません。

【不可算名詞】
water(水)、wine(ワイン)、bread(パン)、paper(紙)、meat(肉)、information(情報)

以下の例のように、不可算名詞を数える場合は、数えるための単位を付ける必要があります。

a glass of wine (1グラスのワイン)
two bottles of wine (2ボトルのワイン)
750ml of wine (750ミリリットルのワイン)
a slice of bread (1切れのパン)
a loaf of bread (1斤のパン)
a sheet of paper (1枚の紙)
a piece of meat (一片の肉)
three pieces of information (3つの情報)

以下の例のように、不可算名詞にも、具体的な単位の代わりに「少し」とは「たくさん」とか数量に関する形容詞を使うことができます。
但し、可算名詞には使えて、不可算名詞に使えない形容詞もあるので注意が必要です。

a little wine (少しのワイン)
some information (ある程度の情報)
much meat (たくさんの肉)
a lot of water (たくさんの水)

名詞の種類

名詞は、普通名詞、集合名詞、物質名詞、物質名詞、固有名詞の5種類に分類することができます。

普通名詞

普通名詞は、目に見える決まった形があり、数えられる可算名詞です。また、見えなくても区切りがあり、数えられる場合は普通名詞となります。

an apple(リンゴ)、a chair(椅子)、an idea(考え)、a dream(夢)、a hope(望み)

集合名詞

集合名詞は、同じ種類の人や物が集まった、1つの集合体を表す名詞です。

furniture(家具)、staff(スタッフ)、people(人々)、police(警察)

物質名詞

物質名詞は、物質や材料の名前を表す名詞です。不可算名詞にある場合が多いです。

milk(ミルク)、salt(塩)、silver(銀)、gold(金)

抽象名詞

目に見える形のない、性質、概念、動作、状態などを表す名詞です。

success(成功)、sadness(悲しみ)、beauty(美しさ)、education(教育)

固有名詞

地名、天体、人名、大陸など、特定のものを表す名詞で、最初の文字が大文字で始まります。

Japan(日本)
Venus(金星)
Michael(マイケル)
Eurasia(ユーラシア大陸)

※固有名詞は他にも、山脈、島、海、川、運河、海峡、半島、砂漠、建物、施設、船舶、列車、新聞、雑誌、州、都市などがあります。

名詞の格

1つの文は名詞や動詞などの単語が集まって構成されています。この文の中の名詞(又は代名詞)と他の単語との関係を「格」と呼びます。名詞の格には主格・所有格・目的格の3種類があります。

名詞の主格

名詞(又は代名詞)が主語の場合の、名詞と他の単語との関係を「主格」と呼びます。

名詞が「主語」「主語補語」「呼びかけ」のいづれかの場合、その名詞は「主格」を形成しています。

主語の場合

主格が主語の場合の例文です。

例1
He is an English teacher.
彼は英語の先生です。

例2
Mary takes English lessons twice a week.
メアリーは週に2回、英語のレッスンを受けます。

代名詞 He は主語だから、このHeと他の単語との関係を主格と呼びます。名詞 Mary も主語だから、同じく主格を形成しています。

主格補語の場合

主格が主格補語の場合の例文です。

例1
Stephan is a musician who plays a guitar.
スティーブンはギターを演奏する音楽家です。

a musician は補語または主格補語と呼びます。例1は第2文型(SVC)で、Stephan(主語)=a musician(補語)の関係です。だから Stephan(主語) と a musician(補語) はいづれも主格を形成しています。

例2
James became a doctor in private practice.
ジェームスは個人開業医になった。
※private practice は「個人営業」の意味

例2も第2文型(SVC)で、James(主語)=a doctor(補語)の関係です。だから James(主語) と a doctor(補語) はいづれも主格を形成しています。

呼びかけの場合

主格が「呼びかけ」の場合の例文です。

例1
Sakura, have you done your homework yet?
サクラ、もう宿題は終わったの?

例1のように、相手の名前を呼ぶ用法を「呼びかけ」と言います。名詞 Sakura も主格を形成しています。

名詞の目的格

名詞(又は代名詞)が目的語の場合の、名詞と他の単語との関係を「目的格」と呼びます。日本語で「Aを」「Bに」と言う際の、Aが直接目的語で、Bが間接目的語です。

名詞が「他動詞の目的語」「前置詞の目的語」「目的格補語」のいづれかの場合、その名詞は「目的格」を形成しています。

動詞の目的語の場合

目的格が動詞の目的語の場合の例文です。目的格はこのパターンが最も多い。

例1
Mary plays tennis once a week.
メアリーは週に1回、テニスをします。

例1は第3文型(SVO)です。plays の目的語 tennis は目的格を形成しています。

例2
John sent me a letter.
ジョンは私に手紙を送りました。

例2は第4文型(SVOO)の文です。a letter が直接目的語で、me が間接目的語です。

前置詞の目的語の場合

目的格が前置詞の目的語の場合の例文です。前置詞の直後にくる名詞も目的格を形成します。

例1
Mary has gone to Tokyo.
メアリは東京へ行ってしまった。

例2
I wrote a letter to him.
私は彼に手紙を書いた。

例1では Tokyo、例2では him が前置詞 to の目的語です。

目的格補語の場合

目的格が目的格補語の場合の例文です。目的格補語とは、第5文型(SVOC)のC(目的格補語)を指します。この C(目的格補語)は O(目的語)に対して情報を補足する(叙述する)役割を果たします。

目的格補語は、名詞・形容詞・不定詞・分詞などが該当しますが、ここでは目的格補語が名詞の場合のみを取り上げます。

例1
Eating too much salt can get people sick.
塩分の摂りすぎは人を病気にします。

例1では sick が目的格補語として目的格を形成しています。目的語 people と目的格補語 sick の関係はイコールです。

例2
The manager of team made him captain.
チームの監督は彼をキャプテンにした。

例2では captain が目的格補語として目的格を形成しています。目的語 him と目的格補語 captain の関係はイコールです。

名詞の所有格

所有格とは、簡単に言えば、人が所有している物などの、関係を表す格です。

日本語では「田中さんの~」のように、「の」を用いて所有格を作りますが、英語で所有格を作る方法は2通りあります。

「~’s」の所有格

名詞の語尾に「~’s」を付けて所有格を作ることができます。生き物を表す名詞では、「~’s」で所有格を作ります。

Simon’s book(サイモンの本)
a dog’s tail(犬の尻尾)
the man’s bag(その男性の鞄)

「of+名詞」の所有格

名詞と名詞を「of」で連結して所有格を作ることができます。無生物を表す名詞では、「of」で所有格を作ります。

a member of the team(そのチームのメンバー)
the roof of the building(その建物の屋根)
President of the United States(アメリカ合衆国の大統領)

同格

2つの名詞を並べて、前の名詞の情報を後ろの名詞で補足説明する用法があります。この2つの名詞の関係を同格(Apposition)と呼びます。

名詞+名詞

最もよく使われる同格の関係が「名詞+名詞」の形です。

例1
Mr. Tanaka, our English teacher, is from Fukuoka.
私たちの英語の先生である田中先生は、福岡出身です。

名詞 Mr. Tanaka を後ろの名詞 our English teacher で補足説明しています。

例2
The acronym “GDP” stands for gross domestic product.
頭字語であるGDPは国内総生産の略です。
※acronym=頭字語(とうじご)

名詞 acronym と GDP が同格の関係。“GDP”のダブルクォーテーションはシングルクォーテーション(‘GDP’)に置き換え可能。

代名詞+名詞

次の例では、代名詞 We に続けて university students(名詞句)を置き、We を説明しています。

We university students should learn business writing skills for the future.
私たち大学生は、将来のためにビジネスライティングの技術を学ぶべきだ。

名詞+of+名詞

“the A of B”は「BというA」の意味。このAとBの関係を同格と見なすこともありますが、同格とみなさない文法学者もいます。

The city of Tokyo is one of the most popular metropolis in the world.
東京という都市は世界で最も人気のある大都市の1つです。

名詞 metropolis (mətrɑ́pəlis) は「大都市、主要な都市、メトロポリス」の意味。

名詞+that節(同格節)

名詞と直後に続くthat節は同格の関係です。このthat節は「同格節」とも呼びます。

同格節が使える名詞は決まっています。 fact, information, thought, idea, argument など、思考・情報・感情を表す名詞のみが同格節を続けることが可能です。

The fact that he lost the election shocked the citizen.
彼が選挙で落選したという事実は市民にショックを与えた。

文+名詞

文の後に ― (エムダッシュ)を置き、その後に名詞や名詞句を置きます。先行する文に対して、エムダッシュの後の名詞(句)で要約や補足の説明をします。

He lives in a luxury condominium ― the only way for him to show off his wealth.
彼は高級マンションに住んでいる ― 彼にとって冨を見せびらかす唯一の方法だ。

例文で学ぶ英文法 (目次)

英文法の一覧と解説