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例文で学ぶ英文法「助動詞」

このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「助動詞」です。

助動詞は、動詞を助ける役割を果たす言葉です。動詞単体には「~できる」や「~しなくてはならない」、「~するだろう」といった意味は含まれていません。そのため、例えば「私は英語が話せる」と表現する場合には「I speak English.」ではなく「I can speak English.」とする必要があります。このように助動詞は、可能や義務、推測、更に微妙なニュアンスなどを文章に付け加える役割を果たします。

助動詞の特徴

助動詞は、動詞とともに用いて、動詞だけでは表すことができない意味を付け加える役割を果たします。助動詞は単体で用いることはできず、必ずbe動詞か一般動詞の直前につけて用います。

read → can read
speak → can speak

このように、助動詞の後にくる動詞は必ず原形になります。また、動詞とは違って、助動詞は主語によって形が変わることはありません。

I can speak French.
私はフランス語が話せます。

He can speak French.
彼はフランス語が話せます。

They can speak French.
彼らはフランス語が話せます。

助動詞の否定文と疑問文

助動詞を使った文章を否定文にする場合は、助動詞の後に否定語をつけます。

I cannot speak French.
私はフランス語が話せません。

He can’t speak French.
彼はフランス語が話せません。

助動詞を使った文章を疑問文にする場合は、助動詞を文頭にもってきます。

Can you speak French?
あなたはフランス語が話せますか?

冒頭で助動詞は単体で用いることができないと説明しましたが、疑問文に対する回答においては、動詞を省略することもできます。

Can he speak French?
彼はフランス語が話せますか?

→ Yes, he can.(はい、話せます)
→ No, he can’t.(いいえ、話せません)

助動詞の種類

助動詞にはcan、may、must、will、shallなどがあります。これらの助動詞は文脈によって様々な意味で使われます。

can

canには以下の四つの意味があります。

可能・能力:~できる
許可:~してもよい
可能性:ありうる
依頼:~してくれませんか

可能・能力を表すcan

canには「~できる」という意味があり、能力をもっているために「~できる」こと、または状況的に「可能である」ことを表します。

【能力】
She can play the piano.
彼女はピアノが弾ける。

【可能】
I think I can leave on time today.
今日は定時で帰れそうだ。

許可を表すcan

「~してもよい」と相手に許可を与えるcanは、否定文では「~してはならない」と禁止を表します。

You can go home now.
帰宅してもいいですよ。

Can I borrow your pen?
ペンをお借りしてもいいですか?

You can’t smoke here.
ここは禁煙です。

可能性を表すcan

Anyone can make a mistake.
誰だってミスはする。

That can’t be true.
そんなはずない。
※直訳:それが本当だなんてありえない。

依頼を表すcan

相手に何かを頼む際にもcanを使うことができます。

Can you close the window?
窓を閉めてくれませんか?

Can you turn the light on?
明かりをつけてくれませんか?

may

mayには以下の二つの意味があります。

推量:~かもしれない
許可~:~してもよい

推測を表すmay

He may come.
彼は来るかもしれない。

They may win the game.
彼らは試合に勝つかもしれません。

許可を表すmay

許可を表すmayとcanの間に意味の違いはありませんが、mayの方がやや硬い表現です。

May I go home early today?
今日は早く帰宅してもいいでしょうか?

You may leave now.
もうお帰りになっていいですよ。

must

mustには以下の二つの意味があります。

義務:~しなくてはならない
確信:~に違いない

義務を表すmust

義務を表すmustは、今、または将来的に何かを「しなくてはならない」ことを表します。You must…と相手に対して使うと上から圧力をかけるようなニュアンスが出、You must not…と否定文にすると「~してはならない」という禁止を表します。

We must go now.
もう私達は帰らないといけません。

You must return this book by Wednesday.
この本を水曜日までに必ず返却してください。

You must not give up.
諦めてはいけません。

確信を表すmust

He must be very angry.
彼はとても怒っているに違いない。

That must be a lie.
それは嘘に違いない。

will

willには以下の二つの意味があります。

推測:~だろう
意思:~するつもりだ
依頼:~してくれませんか

推測を表すwill

I will be late for the meeting.
会議に遅れてしまうだろう。

She will come to the party.
彼女はパーティーに来るだろう。

It will rain tomorrow.
明日は雨が降るだろう。

意思を表すwill

I will do it tomorrow.
これは明日やります。

He won’t tell us the truth.
彼は私達に本当のことを言おうとしない。

依頼を表すwill

疑問形でwillを用いると、「~してくれませんか」という依頼を表す表現になることがあります。

Will you come with me?
一緒に来てくれませんか?

shall

shallには以下の二つの意味があります。

意思:~するつもりだ
提案:~しましょうか

意思を表すshall

現在ではなく、未来に何かをしようと思っていることを表す場合にはwillを使うのが一般的ですが、shallが使われることもあります。

I shall ask him.
彼に聞いてみます。

What shall I do?
どうしよう?

提案を表すshall

Shall I turn on the heater?
暖房をつけましょうか?

Shall I pick you at the airport?
空港まで迎えに行きましょうか?

have to

助動詞(have to)は、(must)よりも強い義務を表現したい場合に用いられます。また度々、「必ず~しなくてはならない」と和訳に「必ず」という言葉が入り表現されたりもします。

I have to do my homework tonight.
私は今夜、必ず宿題をしなくてはならない。

ought to

助動詞(ought to)は、(have to )(must)と同じく「~すべきである」「~しなくてはならない」という強制的なニュアンスを含んでいます。たとえ主語が望んでいる物事でなくとも、必ずしなくてはならない義務化されたことを表現する場合によく使用されます。

You ought to explain about this information to the customer.
あなたは、お客様へこの情報を説明するべきである。

used to

助動詞(used to)は、過去の習慣や過去に行っていたことを表現したい場合に用いられます。

下の例文の、動詞(work)というのは、断続的に行われる行為なので助動詞(used to)を用いて表現することができます。

She used to work here.
彼女はここで働いていた。

下の例文の、助動詞(used to)は、「よく~していたものだ」と表現される場合が多いです。

He used to look after his brother when his parents were busy.
彼は、両親が忙しい時よく弟の面倒をみていたものだった。

助動詞の過去形

前述した助動詞には、mustを除いて過去形があります。助動詞の過去形は、現在形の意味を過去形にしたものとは限らず、現在形と過去形とで異なる意味をもっているものもあります。ここではcould、might、would、shouldを説明します。

could

couldはcanの過去形です。couldには以下の四つの意味があります。

可能・能力:~できた
可能性:~できたはずだ、ありえたはずだ
丁寧な依頼:~していただけませんか
仮定法:もし~なら…できるのに

可能・能力を表すcould

【能力】
She could play the piano before.
彼女は以前ピアノが弾けた。

I could run fast when I was young.
若い時、私は速く走れました。

【可能】
I could not leave on time yesterday.
昨日は定時で帰れなかった。

可能性を表すcould

You could at least call me.
少なくとも電話はできたはずでしょう。

You could win the game.
あなたは勝てそうだったのに。

丁寧な依頼を表すcould

相手に何かを頼む場合にcanではなくcouldを使うと、canよりも丁寧な表現になります。

Could you close the window?
窓を閉めていただけませんか?

Could you turn the light on?
明かりをつけていただけませんか?

Could I use your cell phone?
あなたの携帯電話を使ってもいいですか?

仮定法で使われるcould

「もし~なら」という仮定法の文章でcouldが使われることもあります。

I could travel abroad if I had enough money.
お金が十分にあれば海外旅行ができるのに。

I could listen to you if I were there.
そこにいれば、あなたの話を聞いてあげられるのに。

I could go to the party if I had enough money.
充分なお金があれば、私はパーティーに行けるのに。

might

mightはmayの過去形です。mightには以下の意味があります。

推量:~かもしれない

推量を表すmight

「~かもしれない」と推量する場合にmightを使うと、mayよりもやや弱い表現になります。

He might come.
彼は来るかもしれない。

They might win the game.
彼らは試合に勝つかもしれません。

I might buy a new car.
新しい車を買うかもしれません。

would

wouldはwillの過去形です。wouldには以下の四つの意味があります。

意思:~しようとした
過去の習慣:(習慣的に)~した
丁寧な依頼:~していただけませんか
仮定法:~なら…するのに

意思を表すwould

He said he would do that.
彼は自分がそれをすると言った。

She would not say anything.
彼女は何も言おうとしなかった。

過去の習慣を表すwould

After school, we would play soccer in the park.
放課後に私達は公園でサッカーをしたものでした。

We would chat for hours over the phone.
私達は何時間も電話で話したものでした。

丁寧な依頼を表すwould

疑問文でwouldを用いると、「~していただけませんか」という丁寧な依頼を表す表現になります。

Would you come with me?
一緒に来ていただけませんか?

仮定法で使われるwould

「もし~なら」という仮定法の文章でwouldが使われることもあります。

If I wasn’t busy, I would go with you.
忙しくなかったら、あなたと一緒に行くんですが。

If I knew his phone number, I would call him.
彼の電話番号を知っていれば、電話するのに。

should

shouldはshallの過去形です。shouldには以下の二つの意味があります。

義務:~すべきだ
推測:~するはずだ

義務を表すshould

You should talk to her.
あなたは彼女と話すべきだ。

You should not be late.
遅刻すべきではない。

推測を表すshould

Shouldはmustと似た意味をもつ助動詞で、確信に近い推測を表すことができます。ほぼ意味に違いはありませんが、shouldの方がmustよりも弱い表現です。

They should arrive soon.
彼らはすぐ着くはずです。

She should be there.
彼女はそこにいるはずです。

助動詞の完了形

助動詞の完了形は、「~だったかもしれない」と過去のことを推測する表現をする場合に用いられ「助動詞+完了形(have+過去分詞)」という文型で表されます。主な助動詞の完了形として、(must have+過去分詞)(may/might have+過去分詞)(cannot have+過去分詞)があります。

must have+過去分詞:

She must have opened this box.
彼女がこの箱を開けたに違いない。

cannot have+過去分詞:

You cannot have seen off her friend at the airport.
あなたは、空港で彼女を見送ることができたはずがない。

例文で学ぶ英文法 (目次)

英文法の一覧と解説