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例文で学ぶ英文法「比較」

このシリーズでは、英文法を例文を使って分かりやすく解説します。今回のテーマは「比較」です。

2つ以上の何かの性質・程度などを比べるために使う英文法が「比較」です。今回は比較の基本的な構文から、形容詞・副詞の比較変化(原級・比較級・最上級)、更に原級を使った比較構文までを学習します。

比較級と最上級の基本

比較変化には「原級」「比較級」「最上級」があります。「AはBよりも~だ」と述べる場合は「比較級」を使い、「Cは日本で一番~だ」と述べる場合は「最上級」を使います。

比較級・最上級の基本構文を先に解説して、その後に比較変化のルールを解説します。

比較級の基本的な構文

「A(主語)はB(比較対象)よりも~だ」と、AとBの程度の順位を比較するには「形容詞の比較級 + than」を使います。

下の例1では、形容詞 busy の語形が 比較級の busier へ比較変化しています。(形容詞が変化していない語形を「原級」と呼びます。)

例1
She is busier than me.
彼女は私より忙しいです。
※原級:busy、比較級:busier

上の例1は、She is busy.(彼女は忙しい)と I am busy.(私は忙しい)の2つの文が、接続詞の than でつなげた文です。2文をつなげた後に busy が省略されて、下の例2の「She ~ than I am.」の文となる。「~ than I am」は正式な表現で、話し言葉(口語)では「~ than me.」と書きます。

例2
She is busier than I am. ⇒ 正式な表現

She is busier than me. ⇒ 口語表現

下の例3では、形容詞 large の語形が 比較級の larger へ比較変化しています。The Earth is large. と Mars is large. を接続詞の than でつないで、「~ than Mars is large」の is large を省略しています。

例3
The Earth is larger than Mars.
地球は火星より大きいです。
※原級:large、比較級:larger

下の例4では、This winter is cold. と Last winter is cold. を接続詞の than でつないで、「~ than last winter is cold」の is cold を省略しています。

例4
This winter is colder than last winter.
今年の冬は去年の冬より寒い。
※原級:cold、比較級:colder

下の例5では、interesting の前に more を置いて比較級へ変換しています。

例5
This book is more interesting than that book.
この本はあの本より面白いです。
※原級:interesting、比較級:more interesting

下の例6では、副詞の quietly の前に more を置いて比較級へ変換しています。副詞句の「more quietly than Henry」が、「talks」を修飾しています。

例6
Greg talks more quietly than Henry.
グレッグはヘンリーより静かに話します。
※原級:quietly、比較級:more quietly

最上級の基本的な構文

「A(主語)は、あるグループの中で、1番~です」と表現するには、「the + 形容詞の最上級 + 前置詞句/関係代名詞節」を使います。

最上級を使った基本構文
主語 is + the + 形容詞の最上級 + 前置詞句または関係代名詞節

例1では、[1]平叙文を、[2]最上級の構文へ書き換えています。書き換えの手順は先ず、[1]平叙文の形容詞 young の語形を、最上級の youngest へ比較変化させます。例外もありますが最上級の直前に the を置きます。次に、the youngest man の直後に前置詞句 in the company(会社の中で) を置いて、比べる範囲を説明しています。

例1
[1] Paul is a young man. (平叙文)
ポールは若い男性です。

[2] Paul is the youngest man in the company.(最上級の構文)
ポールは会社の中で最も若い男性です。

例2では、[1]平叙文の形容詞 expensive の語形を、最上級の most expensive へ比較変化させます。例外もありますが最上級の直前に the を置きます。次に、the most expensive の直後に前置詞句 in the world(世界で) を置いて、比べる範囲を説明しています。

例2
[1]This watch is expensive. (平叙文)
この腕時計は値段が高い。

[2]This watch is the most expensive in the world.(最上級の構文)
この腕時計は世界で最も値段が高いです。

例3の“I have ever eaten”は関係代名詞節です。先行詞は cake と I の間に置く 関係代名詞 that/which (目的格)は省略しています。

例3
This is the tastiest cake I have ever eaten.
これは今まで食べた中で、一番おいしいケーキです。

※主語 is + the + 形容詞の最上級 + 関係代名詞節

例4の「efficiently」は副詞です。「the most efficiently」が副詞句として、「works」を修飾しています。

例4
Christina works the most efficiently.
クリスティーナは最も効率的に働きます。
※副詞の最上級の「the」は省略できます。

比較対象の「in」「of」

最上級の単語の直後に置く、比較対象の前置詞句では「in」または「of」を使います。

下の例文のように、広くやや漠然とした範囲を比較対象としている場合は「in」を使います。

This is the oldest tree in the world.
これは世界で最も樹齢を重ねた木だ。

He is the tallest kid in the class.
彼はクラスで一番背が高い。

下の例文のように、より具体的なものを比較対象としている場合には「of」を使います。

Jenny is the oldest of my four sisters.
ジェニーは四人姉妹のうち一番年上だ。

My son is the tallest of the three boys over there.
あそこにいる3人の男の子達の中で一番背が高いのが私の息子です。

最上級に the を付ける方法

基本的に形容詞の最上級(est へ変換した単語、又は most) の直前に the を置きます。

the を付ける場合

下の例文のように、限定用法の最上級には必ず「the」を付けます。

Paul is the youngest person in the office.
ポールは社内で一番若い。

I’m the happiest person in the world.
私は世界で一番の幸せ者です。

例1
He is the most attractive man in the office.
彼は社内で一番魅力的な男性です。

the を付けない場合

下の例[1][2]では the を付けません。例[1]では、家族と一緒にいる時の自分と、そうではない時の自分の、心境が比較されており、例[2]では、ワンピースを着ている時の自分と、そうではない時の自分が比較されています。このように、状況が違う同一人物(又は同じ物)を比較をする場合には the を付けません。

[1] I feel happiest when I’m with my family.
家族と一緒にいる時が一番幸せだ。

[2] I feel most attractive when I’m wearing this dress.
このワンピースを着ている時が、私は一番魅力的に見えると思う。

副詞の最上級

下の例1-1は形容詞 fast の最上級を使っています。例1-2の fastest は副詞 fast の最上級です。He runs fast.(彼は早く走る)の fast は副詞で runs を修飾します。

この fast を最上級へ変換して、比較対象の in Japan を置いた文が例1-2です。runs fastest の間に the がありませんが、副詞の最上級では the の省略が可能です。

例1
[1] He is the fastest runner in Japan.

[2] He runs fastest in Japan.
彼は日本で一番速く走る。

下の例2-1の副詞 high を最上級へ変換した文が、例2-2です。highest が fly を修飾しています。副詞 high の最上級は the を省略できます。(the を付けてもOKです)

例2
[1] Vultures fly high.
ハゲワシは高く飛ぶ。

[2] Vultures fly highest of all the birds.
ハゲワシはすべての鳥の中で最も高く飛ぶ。
※vulture (vʌ́ltʃər) = (鳥の)ハゲワシ

下の例3-1の副詞 fluently を最上級へ変換した文が、例2-2です。most fluently が speak を修飾しています。

例3
[1] She can speak English fluently.
彼女は流暢に英語を話すことができる。

[2] She can speak English most fluently in the company.
彼女は会社の中で最も流暢に英語を話すことができる。
※fluently (flúːəntli) は副詞で「流暢に」

比較変化

ここでは形容詞の原級を、比較級・最上級へ変化させる方法を解説します。

文字数の少ない単語の比較変化

文字数の少ない単語とは1音節の単語、又は特定の2音節の単語を指します。

1音節

形容詞または副詞の単語が1音節の場合は、語尾に「er」(比較級)、「est」(最上級)を付ける。

原級比較級最上級
tall(高い)tallertallest
fast(速く)fasterfastest
hard(硬い)harderhardest
small(小さい)smallersmallest
short(短い)shortershortest
young(若い)youngeryoungest
語尾が e

形容詞または副詞の単語の語尾が e の場合は、語尾に「r」(比較級)、「st」(最上級)を付ける。

原級比較級最上級
fine(素晴らしい)finerfinest
free(自由な)freerfreest
wise(賢い)wiserwisest
large(大きい)largerlargest
simple(簡単な)simplersimplest
語尾が短母音 + 子音

形容詞または副詞の単語の語尾が、短母音+子音の場合は、語尾の子音字を重ねて「er」(比較級)、「est」(最上級)を付ける。

原級比較級最上級
big(大きい)biggerbiggest
hot(暑い)hotterhottest
wet(湿った)wetterwettest
sad(悲しい)saddersaddest
thin(細い)thinnerthinnest

2音節以上の単語の比較変化

3音節以上と一部の2音節の形容詞または副詞は、単語の前に more を置いて比較級、most を置いて最上級を作ります。

原級比較級最上級
quietly(静かに)more quietlymost quietly
serious(深刻な)more seriousmost serious
beautiful(美しい)more beautifulmost beautiful
interesting(面白い)more interestingmost interesting

比較変化の例外

ここでは上記で説明した比較変化の例外を説明します。

例外1

以下の形容詞はすべて1音節ですが、比較級にする場合は「more」を付けます。

原級比較級最上級
fun(楽しい)more funmost fun
real(現実の)more realmost real
right(正確な)more rightmost right
wrong(間違った)more wrongmost wrong
例外2

以下の例のように、動詞の過去分詞が形容詞になった単語は、1音節であっても、moreを付けて比較級、most を付けて最上級を作る。

原級比較級最上級
tired(疲れた)more tiredmost tired
bored(退屈した)more boredmost bored
scared(怯えた)more scaredmost scared
例外3

2音節以上の場合でも、形容詞または副詞の単語の語尾が、子音字 + y の場合は、y を i に置き換えて「er」「est」を付けて比較級、最上級を作る。

原級比較級最上級
easy(簡単な)easiereasiest
busy(忙しい)busierbusiest
early(早い)earlierearliest
heavy(重い)heavierheaviest
happy(幸せな)happierhappiest
sleepy(眠い)sleepiersleepiest
healthy(健康的な)healthierhealthiest

※上記の単語は、more busy、more happy、more healthy、more sleepy、のように「more」を付けて比較級を作ることも可能ですが、「ier、iest」の方が一般的です。

例外4

下の単語のように、単語それ自体に「最も」というニュアンスが含まれている場合は、最上級(や比較級)ではあまり使いません。

complete(完全な)、perfect(完璧な)、excellent(優秀な)、favorite(特に好きな)、etc.

比較級・最上級の不規則変化

不規則に語形が変化する形容詞の比較級と最上級の一覧です。

原級比較級最上級
good, wellbetterthe best
bad (悪い)worsethe worst
ill (気分が悪い)worsethe worst
much, manymorethe most
far (はるかに, ずっと)furtherthe furthest
far (遠い)fartherthe farthest
little (少量の)lessleast

比較級・最上級を強調する単語

次の単語は、比較級・最上級を修飾して言葉の意味や程度を強調する副詞です。

【比較級を強調する主な副詞】
much(はるかに)、far(はるかに)、still(さらに)、even(さらに)、ever(今までに)

【最上級を強調する主な副詞】
much(はるかに)、far(はるかに)、very(まさに、非常に)、ever(今までに)

much

下の例の much(はるかに) は stronger(strong = 強い)の程度を強めています。

The opponent is much stronger than our team.
対戦相手は私たちのチームよりもはるかに強いです。
※much は far と置き換え可能

very

下の例の very(まさに)は best music の言葉の意味を強めています。

I think it is the very best music that I have ever listened.
私が今まで聴いた中で、まさに最高の音楽だと思います。

even

下の例の even(さらに) は more deeply(深く)の程度を強めています。

We need to think even more deeply about the issue.
私たちはその問題についてさらに深く考える必要があります
※even は still と置き換え可能

ever

下の例1の ever(今までに) は most popular games(最も人気があるゲーム)の言葉の意味を強めています。

例1
Pokémon is one of the most popular games ever.
ポケモンは今までに最も人気があるゲームの一つです。

下の例2-1の ever made(今までに作られた) は greatest movieを修飾して言葉の意味を強めています。例2-1の ever made は that has been が省略されており、省略しない場合は例2-2の movie that has been ever made と書きます。

例1
[1] Avatar is the greatest movie ever made.
アバターは今までに作れらた最高の映画です。

[2] Avatar is the greatest movie that has been ever made.
アバターは今までに作れらた最高の映画です。

原級を使った比較構文

形容詞・副詞が、比較級や最上級へ変化しない元の語形を「原級」と呼びます。ここでは原級を使った比較構文(同等比較、同等比較の否定形、倍数表現、慣用表現)を解説します。

同等比較(as 原級 as)

同等比較の「as 原級 as 構文」は、「主語が比較対象と同じくらい~である」ことを表す構文です。「as」と「as」の間には形容詞/副詞の原級を置き、2つ目の「as」の後ろには名詞(主語や目的語など)を置きます。

【as 原級 as】
主語 + be動詞 + as + 原級(形容詞・副詞)+ as + 名詞(主語や目的語など)

下の例1は、John is tall. と Mike is tall. をつなげた文です。John is tall ⇒ John is as tall as ⇒ John is as tall as Mike is tall. の流れで、最後に Mike is tall の is tall を省略します。

例1
John is as tall as Mike.
ジョンはマイクと同じくらい背が高い。

下の例2は、My laptop is old. と Yours is old. をつなげた文です。My laptop is old ⇒ My laptop is as old as ⇒ My laptop is as old as yours is old. の流れで、最後に yours is old の is old を省略します。

例2
My laptop is as old as yours.
私のノートパソコンはあなたの物と同じくらい古いです。

下の例3は、She works hard. と Others work hard. をつなげた文で、others work hard の work hard が省略されています。others の直後に work または do を置くことも可能です。

例3
She works as hard as others.
彼女は他の人と同じくらい一生懸命に働いている。
※others(代名詞の「他の人」)は other の複数形。
※~ as hard as others do(又は work)と書いてもOK

下の例4は、I ran fast. と I could run fast. をつなげた文で、I could run fast の run fast が省略されています。

例4
I ran as fast as I could.
私はできる限り速く走った。

同等比較の否定形(not as 原級 as)

【not as 原級 as】
主語 + be動詞 + not + as + 原級(形容詞・副詞)+ as + 名詞(主語や目的語など)

下の例文のように、否定形の「not as ~ as」にすると、「主語が比較対象ほど~ではない」という意味になります。

John is not as tall as Mike.
ジョンはマイクほど背が高くない。

She does not work as hard as others.
彼女は他の人ほど一生懸命にやっていない。

倍数表現(倍数詞 as 原級 as)

【倍数詞 as 原級 as】
主語 + be動詞 + 倍数詞/分数詞 + as + 原級(形容詞・副詞)+ as + 名詞(主語や目的語など)

※倍数詞(twice, three timesなど)
※分数詞(half, quarterなど)

下の例文のように、倍数詞と「as 原級 as 構文」を一緒に使うことで、「主語は比較対象よりも~倍は○○です」という比較を表します。

My laptop is twice as old as yours.
私のノートパソコンはあなたのノートパソコンの2倍は古い。

She can eat three times as much pasta as I can.
彼女は私の3倍の量のパスタを食べることができる。

下の例文のように、分数詞 half と「as 原級 as 構文」を一緒に使うことで、「主語は比較対象の半分の~です」という比較を表します。

The population of Bangladesh is about half as large as that of the United States.
バングラデシュの人口はアメリカの約半分です。

原級を使った慣用表現

as 原級 as possible

as ~ as possible は「できるだけ~」の意味。

I would appreciate if you could reply as soon as possible.
できるだけ早く返信していただければ幸いです。

as 原級 as any

as ~ as any … は「どの … にも劣らないほど~」の意味。any の後には比較対象となる単数名詞を置きます。(比較対象が明らかに分かる場合は省略することもある)

This smartphone is as good as any phone I have ever used.
このスマートフォンは、私が今まで使ったどの電話にも劣らないほど良い。

The view of Mount Fuji is as beautiful as any place in the world.
富士山の眺めは、世界中のどの場所にも劣らないほど美しい。

as 原級 as ever

as ~ as ever は「相変わらず~」の意味。ほぼ同じ意味の慣用句に as ~ as always (相変わらず~)があります。

I have been as busy as ever this week.
今週も相変わらず忙しい状態が続いています。

You look as pretty as always!
あなたは相変わらず綺麗ですね!
※この always は ever と置き換えが可能

as 原級 as 構文の否定形と比較級の違い

「as 原級 as 構文の否定形」(not as~as)と「比較級」は似ていますが、ニュアンスが違います。

下の例文[1][2]はどちらも、二人のうちメアリーの方が背が低いことを表していますが、含まれるニュアンスは異なります。比較級を使った例文[1]は、メアリーとジェーンの背の高さをただ比較しています。これに対し「not as~as」を使った例文[2]は、メアリーとジェーンのどちらも背が高いことが前提とされており、「メアリーもジェーンもどちらも背が高いが、二人のうちではメアリーの方が低い」というニュアンスがあります。

[1] Mary is shorter than Jane.
メアリーはジェーンより背が低い。

[2] Mary is not as tall as Jane.
メアリーはジェーンほど背が高くない。

下の例文も、「ジャックとマークはどちらも泳ぐのが速いが、ジャックはマークと比べると遅い」というニュアンスがあります。

Jack does not swim as fast as Mark.
ジャックはマークほど泳ぐのが速くない。

例文で学ぶ英文法 (目次)

英文法の一覧と解説