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例文で学ぶ英文法「動名詞」

このシリーズでは英語例文を使って英文法を分かりやすく解説します。今回のテーマは「動名詞」です。

動名詞とは、動詞だけど名詞の機能も果たす準動詞の一つです。現在分詞と同じように、動詞の原型に img を付けると動名詞になります。主に「今起こっていること」を表します。

動名詞

動名詞は動詞のing形で「~すること」を意味し、文中で名詞としての役割を果たします。

動名詞の用法

動名詞はto不定詞の名詞的用法と同様に、主語、補語、目的語として使うことができます。

主語として動名詞を使う:

Going to the Grand Canyon is my dream.
グランドキャニオンに行くのが私の夢です。

Running is not my thing.
ランニングは好きではない。
※thing:好きなこと

補語として動名詞を使う:

His hobby is fishing.
彼の趣味は釣りです。

My plan is changing jobs.
私の計画は転職することです。

補語として「to不定詞」が使われる場合、下の例のように抽象的な表現であることが多いです。

To love at all is to be vulnerable.
(C. S. Lewis, The Four Loves)
少しでも愛することは無防備になることだ。
(C・S・ルイス『四つの愛』)

目的語として動名詞を使う:

She likes swimming.
彼女は泳ぐことが好きだ。

I enjoy baking.
お菓子を作るのは楽しい。

前置詞の目的語として動名詞を使う:

動名詞は他の名詞と同じように、前置詞の目的語として使うことができます。

I have been looking forward to seeing you at today’s lesson.
本日のレッスンであなたにお会いできるのを楽しみにしていました。

look forward to 〜ing:〜することを楽しみにする

How often do you use the Internet for finding information?
どの程度の頻度で、情報を探すためにインターネットを利用しますか?

No matter how hungry you are, you must wash your hands before eating.
どれだけお腹が空いていても、食事をする前には手を洗いなさい。

動詞の目的語 | 動名詞とto不定詞の使い分け

動詞の目的語として、動名詞も不定詞もよく使われます。どちらを使うかは文の動詞によって決まります。

動名詞とto不定詞のどちらも使うことができる動詞も多いですが、動名詞のみ、またはto不定詞のしか使えない動詞もあります。また、動名詞を使うか、to不定詞を使うか、によって文章の意味が変わる動詞もあります。

動名詞とのみ使うことができる動詞:

【admit(認める)】
✖:He admitted to steal the watch.

〇:He admitted stealing the watch.
彼は腕時計を盗んだことを認めた。

【discuss(~について話し合う)】
✖:They discussed to start a new project.

〇:They discussed starting a new project.
彼らは新企画を始めることについて話し合った。

※記号の意味 〇:正しい / ✖:間違い

to不定詞とのみ使うことができる動詞:

【claim(~と主張する)】
✖:He claims being rich.

〇:He claims to be rich.
彼は金持ちだと言い張っている。

【decide(決める)】
✖:They decided going.

〇:They decided to go.
彼らは行くことに決めた。

※記号の意味 〇:正しい / ✖:間違い

動名詞とto不定詞で文意が変わってしまう動詞:

以下の動名詞の例文は、「過去にその本を読んだ」という事実を忘れたことを表しており、to不定詞の例文は「その本を読むつもりだった、または読まなくてはいけなかった」ことを忘れたことを表しています。

【forget(忘れる)】
I forgot reading the book.(動名詞)
その本を読んだことを忘れました。

I forgot to read the book.(to不定詞)
その本を読むことを忘れていました。

以下の動名詞の例文は、「ドアにカギをかけた」という事実を覚えている、または思い出したということを表し、to不定詞の例文はドアに(これから)カギをかけなくてはいけないことを覚えているということを表しています。

【remember(覚えている)】
He remembered locking the door.(動名詞)
彼はドアにカギをかけたことを覚えていた。
彼はドアにカギをかけたことを思い出した。

He remembered to lock the door.(to不定詞)
彼はドアにカギをかけることを忘れなかった。
※直訳:彼はドアにカギをかけるべきであることを覚えていた。

動名詞の修飾

動名詞は、動詞と同じように副詞や副詞句をつけて修飾することができます。また、動名詞は名詞としての機能も持っています。冠詞や形容詞で修飾ができるほか、所有格や目的格をつけて意味上の主語を表すことが可能です。

副詞・副詞句による修飾

動名詞は動詞やto不定詞と同じように、目的語や補語をつけたり、副詞や副詞句で修飾したりすることができます。

動名詞句を副詞で修飾すると、動名詞の表す動作の様子や時間・場所・頻度などを説明することができます。

次の例[1]では副詞 frequently が動名詞句 going out for drinks を修飾し、「飲みに行く」という行動の頻度を説明しています。

[1] You should stop going out for drinks frequently for your health.
健康のために、頻繁に酒を飲みに行くのをやめるべきだ。

※ go out for drinks:酒を飲むために外出する

次の例[2]では from home が場所を表す副詞句となり、動名詞 working がどこで行われる動作なのかを表しています。

[2] Some employees don’t mind working from home, while others do.
在宅で働くことを嫌だと思わない従業員がいる一方で、嫌がる従業員もいる。

冠詞・形容詞による修飾

動名詞は動詞としての機能を持っていますが、名詞の性質も備えているため、形容詞や冠詞によって修飾が可能です。また、動名詞の中には一般名詞としての用法が強く定着したものもあります。

名詞として定着した動名詞

動名詞の多くは動詞としてのニュアンスが強く、副詞や副詞句で修飾するものが多数を占めますが、中には完全に名詞として定着した動名詞も存在します。名詞化した動名詞は一般の名詞のように冠詞や形容詞をつけられる他、複数形になることもあります。名詞として定着している代表的な動名詞は次の通りです。

saving 節約/(複数形で)貯蓄
earnings 所得、給料
training 訓練(複数形不可)
painting 絵画 building 建物
surroundings 環境
ending 終わり、結末/最期
beginning 始まり、起源
mailing 郵送
landing 着陸

You can increase your savings by reducing your living expenses.
生活費を減らすことで貯蓄を増やせる。

How can we provide effective job training for employees?
どうすれば従業員にとって効果的な職業訓練を提供できるだろうか?

冠詞による修飾

通常、動名詞は動作(数えられないもの)を表しているので、冠詞はつきません。しかし、名詞として定着した動名詞(例文①の liking )や、動きの終始がはっきりしている動作を表す動名詞(例文②の ringing )には、冠詞をつけて使うことがあります。

また動名詞に冠詞をつけて修飾する場合、動名詞は名詞と同じ扱いになります。そのため、冠詞をつけた動名詞に副詞や目的語などをつけることはできません。

[1] After being influenced by my wife, I’ve developed a liking for Asian food.
妻に影響されて、アジア料理が好きになった。

[2] I heard a ringing of the doorbell, but nobody was at the door.
ドアベルを鳴らす音が聞こえたが、ドアの前には誰もいなかった。

形容詞による修飾

動名詞を名詞として使う場合、形容詞によって動名詞を修飾することができます。この場合も、形容詞で修飾された動名詞は名詞扱いになるため、形容詞のついた動名詞には副詞や目的語などをつけることはできません。

Last week I attended a seminar on the importance of active listening.
私は先週、積極的な傾聴の大切さに関するセミナーを受講した。

What is the preferable way of lifelong learning for all citizens?
全ての市民にとって望ましい生涯学習の方法とは何だろうか?

意味上の主語を補う方法

動名詞(〜すること)の直前に所有格や目的格をつけると、「…が〜すること」という意味にすることができます。その動作が誰によって行われることかを説明する機能があり、この時の「…が」の部分を意味上の主語と言います。意味上の主語は、動名詞が表す行為の動作主が文の主語とは異なる人・物であることを明確にする目的で使われます。

所有格+動名詞

動名詞の意味上の主語を表すときは、動名詞の前に所有格を置く方法が最も一般的です。

There is not much probability of his succeeding as an actor.
彼が俳優として成功する可能性はあまりない。

目的格+動名詞

動名詞が動詞の目的語または前置詞の目的語になっているときは、動名詞の意味上の主語を目的格で表すこともできます。目的格で動名詞の意味上の主語を表す方法は、所有格を使う場合に比べてより口語的で、くだけた文章によく使われます。ただし、固有名詞や無生物の名詞が意味上の主語である時は、フォーマルな文章であっても所有格ではなく目的格で表すケースが多く見られます。

[1] I feel little sympathy for him being isolated from his co-workers.
彼が同僚から孤立していることに、私はほとんど同情を感じない。

[2] I can’t understand her playing video games all day long.
彼女が1日中テレビゲームで遊んでいることが、私には理解できない。

意味上の主語を省略する

動名詞の意味上の主語は、いつも明記されているわけではありません。動名詞の指す動作が特定の誰かの動作ではない場合・直前に言及された人物の動作を指す場合は、意味上の主語を省略するのが一般的です。

一般的な人を指すとき

動名詞の表す行為が特定の人物によるものではない場合、意味上の主語は省略されます。次の例文では exercising という行為の主体は特定の人ではなく、社会一般の人を指すので、意味上の主語は省略されています。

Exercising moderately is not only good for the health, but also boosts focus.
適度に運動することは健康に良いだけでなく集中力も高めてくれる。

文の主語と動名詞の意味上の主語が同じとき

動名詞の意味上の主語は、文の主語とは異なる人・物の行為を区別する目的で使われます。そのため、文の主語と動名詞の意味上の主語が同じである場合は、意味上の主語を省略するのが一般的です。例文[1]で説明すると、動名詞 saying の動作をする可能性があるのは Jess ですが、文中の主語と同じ人物なので動名詞の前に her はつきません。

[1] Jess was afraid of saying something wrong in public.
ジェスは人前で何か間違ったことを言うのではないかと心配した。

[2] I was content with passing grades in the final exam.
期末試験で合格できて、私は満足だった。

直前の動詞の目的語と同じとき

意味上の主語が直前の動詞の目的語と同じ人物を指すときも、意味上の主語は省略されます。例えば例文[1]の動名詞である coming の行動をとったのは、動名詞の直前にある Thank の目的語 you と同一人物です。文脈上明らかなので、わざわざ意味上の主語を加えずに表現します。

[1] Thank you for coming to our concert tonight.
今夜は私たちのコンサートにお越しくださりありがとうございます。

[2] We must protect children from being bullied or isolated at school.
学校でいじめられたり、孤立したりすることから子供を守らなくてはならない。

動名詞の活用

動名詞は動詞と同じように活用することができ、否定形、受動態、完了形を作ることができます。

動名詞の否定形

動名詞の否定形を作るには、動名詞の直前に not を置き [ not + 〜ing ]とします。意味は「〜しないこと」です。

What physical benefits can I expect to see after not drinking alcohol for 60 days?
60日間禁酒したら、体にどんな良いことがあるのだろうか。

Not doing your homework will result in a poor grade.
宿題をやらないと成績が悪くなるよ。

助動詞の受動態

[ being + 動詞の過去分詞形 ]で受動態の動名詞を作ることができます。意味は「〜されること」です。

He was so angry about being insulted in front of his family.
彼は家族の前で侮辱されて大層腹を立てた。

I appreciated being invited to Jim’s birthday party.
ジムの誕生パーティに招待されたことをありがたく思っています。

完了形の動名詞

完了形の動名詞は[ having + 動詞の過去分詞形 ]の形で表します。完了形の動名詞は述語動詞よりも過去の動作を表します。

I am proud of having worked with this wonderful team.
この素晴らしいチームで働いたことを誇りに思っています。

I apologize for having been late for the appointment.
約束の時間に遅れてしまったことをお詫びします。

過去を表す動名詞(完了形以外)

完了形にしない動名詞でも、述語動詞よりも過去のことを表す場合があります。例えば例文[1]では、完了形の動名詞を使っていませんが、“telling 〜 twice”は述語動詞よりも過去のことを表しています。これは、動名詞の動作が、述語動詞よりも過去のことだと文脈から判断できるためです。

[1] I regret telling him my secret without thinking twice.
よく考えずに彼に秘密を打ち明けてしまったことを後悔した。
※think twice よく考える

動名詞句が述語動詞よりも過去のことだと分かっていても、あえて例文[2]のように完了形の動名詞を使う場合もあります。その場合、「その動作が確実に完了した」というニュアンスがより強調されます。

[2] I will never forget having fallen love with her.
彼女に恋したことを、私は決して忘れないだろう。

受動態動名詞の完了形

[ having been + 動詞の過去分詞形]で、受動態かつ完了形の動名詞を作ることができます。意味は「〜されたこと」となり、述語動詞よりも過去にされた動作を表せます。

I am no longer angry about having been cheated by Joanna.
ジョアンナに騙されていたことについては、もう怒っていない。

She denyed having been abused by her parents in her childhood.
彼女は幼少期に両親から虐待されたことを否定した。

動名詞を用いた慣用表現

英語には、動名詞を使った決まり文句が存在します。ここでは代表的なものを紹介します。

feel like 〜ing

意味: 〜したい気分だ ( = would like to 〜, want to 〜 )

I feel like having a cherry blossom viewing party on such a beautiful day.
こんな良い天気の日には花見でもしたい気分だ。

There is no 〜ing

意味: 〜することは不可能である ( = there is no way to 〜, it is impossible to 〜 )

There is no telling exactly what will happen in the future.
将来何が起こるのかを正確に予想することは不可能である。
※no を not と間違えて覚えないように注意

It is of no use 〜ing

意味: 〜しても無駄だ

be (of) no use は「役に立たない」、be of use は「役に立つ」の意味です。この熟語に含まれる of は省略可能。

It is of no use regretting what you did in the past.
過去の行いを悔やんでも無駄だ。

There is no use (in) 〜ing

意味: 〜しても無駄だ

no use と 〜ing の間の 前置詞 in は省略するのが普通です。

My grandmother is so stubborn. There’s no use trying to persuade her.
私の祖母はとても頑固です。説得しようとしても無駄です。

It goes without saying that …

意味: …であることは言うまでもない

go without ~ ing (イディオム)の部分のみで考えると 「~を持たないで行く、~無しでやっていく」の意味です。

It goes without saying that the economy of the US has a huge impact on that of Japan.
アメリカの経済が日本に非常に大きな影響を与えるということは、言うまでもない。

※ It goes without saying that は、Needless to say, 又は It’s obvious that と置き換え可能

be worth 〜ing

意味: 〜する価値がある

worth は「価値がある」の意味の形容詞で、 動名詞(~ing)を修飾しています。

Have you seen Tim Burton’s latest movie? It’s definitely worth watching.
ティム・バートン監督の新作映画はもう見ましたか? 絶対に見る価値があります。

never … without 〜ing

意味: …すれば必ず〜する

この構文の直訳は「〜せずに…することは絶対ない」ですが、肯定文で和訳することが一般的です。否定語である never と without を組み合わせる二重否定の形をとっており、通常の肯定文よりも強めのニュアンスが込められています。

My son is so forgetful and never comes back without losing something.
私の息子はとても忘れっぽく、帰宅すると必ず何か忘れ物をしている。

Would you mind 〜ing?

意味: 〜していただけませんか?

相手に依頼するときの丁寧な表現です。代わりに Do you mind 〜ing? と言うこともありますが、 Would の方が一般的で、より丁寧な表現です。

承諾するときは “No problem.” や “Of course not.” と答え、逆に断る場合は “I’ m sorry, but 〜” などの表現に続けて応じられない理由や状況を説明します。

Q: This room feels really stuffy. Would you mind opening the window?
A: No problem. / I’m afraid I can’t right now.

Q: この部屋は換気が悪いです。窓を開けていただけませんか?
A: ええ、いいですよ。 / 残念ですが、今はできかねます。
※ mind には「〜を気にする、迷惑に思う」という意味があるので、 Yes. と答えてしまうと「嫌です」という意味で伝わってしまいます。

例文で学ぶ英文法 (目次)

英文法の一覧と解説